世田谷区立郷土資料館(世田谷区世田谷1−29−18)は昭和39年、東京オリンピックの年に開館しました。次に古いのが昭和47年開館の板橋区郷土資料館だそうです。今、開館50周年記念特別展「大館蔵品展」が開かれています。
関連イベントとして、特別展示品である「伝・北条幻庵作 一節切(ひとよぎり)」の演奏会が開かれました。
この「一節切」は、幻庵夫婦の位牌所・金龍院の旧蔵品と伝えられるもの。幻庵研究家の立ち木望隆氏(故人)からの、寄贈品です。
演奏者は大村響堂さん。大村さんは小田原市議会議員で、琴古流尺八竹憧会師範。「一節切」の演奏・研究をされている方です。
北条氏綱の孫娘 香沼姫の末裔・山本家に伝わる幻庵作の「一節切」を実際に見たことがあり、世田谷立郷土資料館所蔵のものとまったく瓜二つだそうです。
戦国時代の武将が素養として嗜んだという「一節切」の音色を聴くのは初めてです。それも400年前の音色。素朴とは少し違う和のもののとてつもない奥深さ。とても情緒的な音色で風音をはるか遠くに聴くような感じでしょうか。
演奏が終わり外に出るとあたりは暗くなっていました。雨上がりの代官屋敷の上空には月が光っていました。